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「ざんぎり頭を叩いてみれば文明開化の音がする」。日本は最近元気がないけど、捨てたもんじゃないぜ!「日本人でよかった」と心から思える・誇れる豆知識を仕入れてお届けします!明日からはあなたの頭も文明開化の音がするかも!?

「個性がない」。今からは想像もつかない低評価を受けたデビュー!水木一郎のおいたちに迫る(2)!

今日は水木一郎のおいたちの後編です。

 

デビューからアニソンをばりばり歌っていたのかと思いきや、違うんですね。

デビューはカンツォーネ風の歌謡曲『君にささげる僕の歌』でした。

 

しかし時代はGS全盛期。

一方では青江美奈の『伊勢崎町ブルース』がレコード大賞歌唱賞を獲り、森進一が『花と蝶』でNHK紅白歌合戦に初出場を果たした年。

よくいう「生まれた年が悪かった」というやつです。

 

当時の水木の歌声への評価は「個性がない」。

レコードはさっぱり売れませんでした。

 

理想と現実の狭間で苦しみながら、銀座のクラブで弾き語りをして生活をしていた水木に、思いがけない誘いがあったのはデビューから3年後のこと。

レコード会社のディレクターから石ノ森章太郎原作のアニメ『原始少年リュウ』の主題歌を歌わないか、という話がきたのだ。

 

当然、レコードジャケットに本人の顔は出ません。

やりたがらない歌手が多い中、水木は快諾。

 

「顔が出ようが出まいが、歌を歌えるということがうれしかった。もともと映画主題歌にあこがれていた自分にとって、テレビから流れるアニメソングも主題歌に変わりはないじゃないか」

 

ただし、迷いもあった。

どう歌を表現すればいいのかわからなかったんですね。

水木一郎という個性を前面に出すように歌うことが求められたが、アニメの場合はどうすればいいのか。

当時のアニメは合唱団による主題歌が多く、手本となるソロ歌手がいない。

迷ったまま迎えたレコーディングは、なかなかOKが出ませんでした。

 

水木は、『原始少年リュウ』の世界に想いを馳せてみました。

リュウはいくつくらいの少年で、どういう性格なのか、周りにいる人や環境は?

それらの設定を自分の中に取り込み、水木はリュウになりきって歌ってみたのです。

 

すると一発でOK。

 

「そのときわかったんです。『なるほど、僕が主人公になりきって歌えばいいんだ』って。すぐOKが出なかったのもラッキーだった。おかげで最初から方法論を見つけることができたから」

 

このメッセージはいま進路に悩んでいる、苦しんでいる人にも役立つメッセージですね。

自分で試行錯誤して出した答えで結果を出す。

最初に「その調子で」といわれても、はたして正しいのか間違っているのか、自分に適しているのかわからない、というケースは学生時代から経験している方も多いのでは?

 

翌年に『ぼくらのバロム1』、『マジンガーZ』という大ヒットを出した水木は、その後破竹の勢いでアニソンを歌い始めます。

 

「アニソンって音程やリズムがいいだけではダメ。歌を聴いただけで小さい子供たちに、ヒーローの熱い魂が伝わらなくてはいけない。レコーディングするときには、いつもテレビの前に座っている子供たちの笑顔を思い浮かべながら歌いました。当然、伝えるためには表現力がなければいけません。これまでに培ってきたさまざまなジャンルの歌唱法が役に立ちました」

 

いつの間にか、個性がないといわれていた水木の歌声は、強烈な個性を持つようになった。

と思われていますが、本人は少し違うといいます。

 

「僕個人はいまだに無個性なんですよ。ヒーローの性格やその生き様、強さだけじゃなくて愛するもののために戦う孤独や葛藤を歌にこめることによって、その瞬間、瞬間に個性をもらっている。それはぜんぶヒーローたちの力なんです」

 

次回はアニソンをヒットチャート上位に載せるべく奮闘するお話です。

既存の価値観を変える、というのは誰しも、またどんな会社でも大きな課題のひとつ。

ぜひ次回もご期待ください!